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3日目(3) -12月19日(日)- このページに出てくる主な場所のGoogleマップ
■ウドンターニ空港に辿り着いてバンコクへ
【ウドンターニへ】
乗客は10人ほどなので、乗車率約20%のバスは、ノンカーイのバスターミナルを13時前に出発。出発してすぐにトゥクトゥクのドライバーが見えたが、こちらのバスは窓にスモークを貼っているのでこちらは見えないだろうと思っていたが、どうやら私からオーラが出ていたようで、思いっきり手を振ってくる。相手が可愛い女の子ならこちらも大きく手を振るが、如何せん相手が男なので周りに変な誤解をされないよう、他の乗客に気付かれない程度に軽く手を振り返す。なかなかいいヤツじゃないか、金が絡まなければ。いや、彼にとっていい上客(ぼられた)だったのかもしれない。
ノンカーイ滞在は1時間半ほどで、絡んだ相手もトゥクトゥクのドライバーとバスチケットのカウンターのおっちゃんだけだったが、なかなか良いところかもしれないな。
今回叶わなかった、メコン川に沈む夕陽を眺めながらビールを呑むというイベントを、今度はタイ側からリベンジするのも悪くないかな。ところでタイ側からメコン川に沈む夕陽を見れるのか?マイペンライ・・・。
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旅の友
ビアラオと同じ配色のビアチャン
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バスは幹線道路に出てからも客を拾い、市場に寄って荷物を積み込んだりしながらウドンターニへひた走る。
ひとまずバスの中でタイへ再入国したことを祝ってひとりで乾杯をする。アテは日本から持ち込んだ柿ピーだ。どうでもいい話だが、出発前夜に柿ピーを2袋入れていたが、出発当日に家内に1袋抜かれていた。
これも余談だが、ノンカーイの売店でビールを買う時にストローをくれようとしたが、初めてタイに来た時もビールを買った時にストローを付けてくれた。何でビールにストローなんだろうとその時は疑問に思ったが、昔タイでは瓶や缶の口が汚れていることが多く、直接口をつけて飲まないようにする防衛策が習慣化したということを後になって知った。衛生状態の良い日本では思いもしないことが海外ではあるのだ。
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ウドンターニのバスターミナル
ここはどこ?
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バスの中ではビデオかTVか分からないが、両性類(おかま)が歌って踊る番組が流れていた。それをボーっと眺めたり、気絶を繰り返したりしながら約1時間走って14時にウドンターニのバスターミナルに到着した。ここでもバスから降りるとトゥクトゥクのドライバーによる客の争奪戦が始まるが、「ノー・サンキュー」でドライバーたちの攻撃をかわす。
昨日は空港から友好橋まで駆け抜けただけだから、ウドンターニの土地勘はまったくないし、地図やガイドブックもない。これからやらなければならない最大のイベントは、遅くても17時までにウドンターニ空港に行くことだが、ここまで来ればどうにかなるだろう。あとはソムタムとガイヤーンを食べることだ。
私の愛読書(笑)の1つの地球の歩き方・タイ2007-2008でウドンターニのバスターミナルはダウンタウンのほぼ中心部にあり、バスターミナルの周りには食堂がいっぱいあるイメージを持っていたが、何やらイメージと異なる。
【PIYOちゃん現る】
バスターミナルを取り囲むように店はあるが、その周りは閑散としていてダウンタウンのイメージはまったくない。ソムタムとガイヤーンがあるような食堂もなさそうで、ここはどこ?の浦島太郎状態だ。
バスターミナルの入り口で恍惚モードになっていると、赤いソンテオがやって来てピッピーとクラクションを鳴らしてくる。
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ピ、PIYOちゃん?
タイ語を喋って運転するPIYOちゃん
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そちらを振り向くと思わず「ピ、PIYOちゃん?」と日本語で叫んでしまった。(このネタが分からない人はスルーしてちょうだい)
ピ:★£#☆○%*@$&
私:何でPIYOちゃんタイ語を喋ってるの
ピ:★£#☆○%*@$&
私:しかも免許持ってないのに運転してるし
ピ:★£#☆○%*@$&
私:へ〜、そうなんだ
なぜかPIYOちゃんはタイ語しか喋れないようだが、翻訳コンニャクを使うと、どうやらここは郊外の新バスターミナルで、旧バスターミナルに行くから助手席に乗れと言う。5分ほど停車して客引きをするが、結局誰も乗って来ず、新バスターミナルを出発する。
タイ語を喋るPIYOちゃんは真っ直ぐ旧バスターミナルには行かず、路地に入り込んで客を探す。何箇所かグルグル回って客を拾い、客が降りる時は料金の回収を手伝った。この旅行で2度目のリアル車掌ごっこだ。
たぶん真っ直ぐ行けば10分もかからない距離を40分かけて旧バスターミナル入り口に着く。
ピ:ここを真っ直ぐ行ったらボーコーソー・カウ(旧バスターミナル)だから
私:タオライ?(いくら?)
ピ:シップ・バーッ(10B)
私:コップン・カップ(ありがとね)
最後までこのPIYOちゃんはタイ語しか喋らなかったが、手を振るとにっこり微笑んで手を振り返して去って行った。
ちなみにタイ語を喋るPIYOちゃんの写真を撮っておこうと、運転中に隠し撮りしたのが上の写真だが、しっかりカメラ目線で見られていた。(笑)
【念願のイサーン料理にありつく】
ひとまずバスターミナルへ歩いて行くと、ここでもトゥクトゥクのドライバーに囲まれる。
「ガルル・・・、ソムタムとガイヤーンが食いてぇんだよ」と言うとドライバーたちもたじろぎ、ほんの10mほどだがひとりの親切なドライバーが食堂まで案内してくれた。きっと獲物を前にした飢えたライオンのような形相をしていたのだろう。
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イサーン料理3点セット
バスターミナル近くの店で
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壁に貼られたメニューはタイ語のみだが、読めるふりをしてメニューを見ながら店主らしき女主人にソムタムとガイヤーンを注文する。冷蔵庫を覗いて別の給仕係にビアチャンを注文して、念願のイサーン料理の食堂に着いたことにひとり乾杯だ。
給仕係が焼き上がったガイヤーンを持ってきた時、何やらメニューを指してタイ語で話しかけてくるが、当然分からない。この時点で読めるふりをしていた事がばれてしまった。どうやらカオニャオ(もち米)を勧めている様子だったので断った。でもこの解釈は違っていたことに後で気付くことになる。
女主人がポクポクして作ったソムタムとカオニャオを持ってくる。カオニャオはいらないと言うと、女主人も壁のメニューを指して、何か言ってからカオニャオを置いて行った。何を言われたかよく分からないが、郷に入っては郷に従えだ。ちょっとつまんでみるか。
ガイヤーンをかじってビールを呑み、ソムタムと一握りのカオニャオをソムタムのタレに浸けて交互に口に運ぶ。美味い!。
さすがにカオニャオは食べ切れなかったが、他は完食。そして会計は驚愕の85B。壁のメニューのタイ語は読めないが、その横には「30」と書かれていたので、どれも一品30Bなんだろうと想像していた。だからソムタムとガイヤーンで60B、ビールとカオニャオで50Bくらいと思っていたのだが、カオニャオはソムタムとセットだったのか?給仕係はガイヤーンを持って来た時、カオニャオを先に持って来ましょうか?と尋ねたののか?
【空港へ】
一心不乱にイサーンAセット・ライス付き(勝手に命名)に食らいついている時、ちょっとジャンキーな男が話かけてきたが、タイ語なので当然分からない。食べることに集中しているので無視するが、どうやらトゥクトゥクのドライバーのようでエアポートに行くか?と言っているようだ。空港に行くので「Yes.」とだけ答えておいた。
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ジャンキーな運転手のカワイイ娘
でも、ちょっと哺乳瓶は・・・
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満腹になって幸せな気分で食堂を出ると、その男は私を待っていて、自分のトゥクトゥクに乗れという。
私:いくら?
ド:300B
私:・・・ 無言で立ち去る
ド:分かった分かった、200B
私:100B!
ド:OK、OK
やっぱりトゥクトゥクとの交渉は疲れる。
トゥクトゥクに乗り込むと上の写真の母娘も乗り込んでくる。ジャンキーなドライバーの家族なんだろう。客を乗せるついでに家族を乗せるのか、家族を乗せるついでに客を乗せるのか分からない。マイペンライ。
子供のうちに”コン・イープン(日本人)は優しい”と洗脳するため、娘にキャンディをあげる。母親も微笑んで娘に食べさせるが、しばらくするとキャンディーをくわえたままコックリコックリと舟を漕ぎだす。トゥクトゥクに乗ったまま舟を漕ぐなんて凄いじゃないか、大人になったら車を運転しながら舟を漕ぐ(危険だから真似しないように)ようになるかもしれない。なんてバカなことを考えていると、母親は娘の口からおもむろにキャンディとひっこ抜き、そのまま後ろにポイ!っと捨てた。
キャンディがノドに詰まったり、棒でノドを突いたりしたら危ないから取り出すのは分かるけど、もらった人の前で道に投げ捨てる行為には凹んだ。もし食べかけのキャンディが後ろの車のフロントガラスにへばり付くと、日本人なら2〜3秒で「あぁ、ペコちゃんのぺろぺろキャンディか」と分かるかもしれないが、タイ人ドライバーは何が飛んできたか理解するのに最低10秒はかかるだろうから危ないじゃないか。軽くカルチャー・ショックを受ける。
空港は思っていたより遠く、15分くらいかかって15:30にウドンターニ国際空港に着いた。ジャンキーなドライバーに約束の100B払ってトゥクトゥクを降りる。目を覚ました娘に手を振ると、寝起きにもかかわらず上の写真と同じような笑顔で手を振り返してくれる。何を勘違いしたか、ジャンキーなドライバーも手を振りながら立ち去って行く。お前には振っとらん!
どうやら客を乗せるついでに家族を乗せていたようだ。
【ウドンターニ空港にて】
さて、出発まで3時間もある。何をしよう?
空港内の土産もの屋を見て回るが5分で終了。朽ちる前に近くでジャンボ機を見ようと外に出るが、暑かったのであっさり断念する。結局チェックインカウンター前のベンチに腰かけ、ここまで重石でしかなかったモバイルPCを出し、アクセスできそうな電波を探すが、どれもセキュリティがかかっていて使えない。このままでは重石に戻るだけなので、ここまで撮った写真をHDDに取り込み、一部をi-shot diary用に画像を加工したりして時間を潰す。
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サイクローク・イサーン
イサーン・ソーセージのセット |
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何とか1時間ほど時間を潰し、チェックインできるだろうとチェックインカウンターへ向かう。
チェックインカウンターの入り口には預入れ荷物用のX線検査機があるが、機内持込みしかないので知らん顔して通過する。チェックインカウンターでWebチェックインして印刷したボーディングパスを差し出すと、搭乗時間までに2Fの搭乗待合室に行けと言われただけで、やはり何もチェックしないようだ。
搭乗待合室の前にはセキュリティチェックがあるので、一旦入ると出れなくなるから腹ごしらえをしておくことにした。搭乗待合室に飲食できるところがあるのか分からないし、えてしてそういうところはボッタくり価格に決まっている。
2Fに上がり、まずはトイレに行ってマーキングをしておく。搭乗待合室とは反対方向のレストランに入り、チェックインカウンター前の待合室が見える窓際のテーブルに座る。すぐにウェイターがメニューを持って来たが、通ぶってメニューを見ずにサイクローク・イサーンとビアレオを頼む。するとウェイターは頷いたので、メニューにあったのだろう。良かった。
サイクローク・イサーンとニンニク、ホムデン(小たまねぎみたいなもの)、ブリッキー(唐辛子)を一緒の口に入れてよく噛むと、肉のうまみと付け合わせの辛さと甘さが合わさった中にビールを注ぎ込む。イサーン料理、バンザイ!
搭乗1時間前になったので、ここでの代金125Bを払ってセキュリティに向かう。
【ディレイ】
ベルトや腕時計はもちろんのこと、ポケットの物もすべて出してセキュリティチェックを通過。搭乗待合室にはそこそこの人がいた。
オンタイムだったとしても搭乗開始まで30分以上ある。携帯電話とイヤホンを取り出してジャズを聴く。本来は本を読んで時間を潰すのだが、搭乗前にあの墜落!の瞬間の本は読めないし、別の本もあるけど墜落!の瞬間の本を思い出すのもイヤなので止めておいた。
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やっと搭乗開始
アルバイト?の女子大生 |
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途中何やら放送があったが、何を言ってるか分からないし、誰も動こうとしないので大したことではないのだろう。
そうこうしているうちに搭乗時刻になったが、何も動きがない。機材が到着していないから遅れているのだろうと思った矢先、飛行機が到着して何やらアナウンスされると、搭乗待合室の半分近い人が搭乗口に並び始めた。
状況が分からないので、サーラー・ケーオクーで見たような、60代のファラン夫、20代のタイ人妻の組み合わせに生後間もない赤ちゃんという家族がいたので、ファラン夫に聞いてみる。
私:すいません、ちょっと聞いてもいいですか?
夫:どうぞ
私:あなた方はエア・アジアに乗るんですか?
夫:そうですよ
私:ありがとう、さっきのインフォメーションが聞こえなかったんですよ
夫:どういたしまして
どうやら搭乗口に並んでいるのはドンムアン行きDD9217便のノック・エアの乗客で、ほぼ定刻通りなんだろうな。
記憶が定かではないが、おそらくノック・エアのDD9217便のプッシュバック後に、エアアジアFD3364便が約40分遅れて到着。乗客を降ろし、折り返しFD3365便として搭乗が始まったのが18:50。今度はエクスプレス・ボーディングの人から搭乗開始だ。
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機内の様子
赤色がHot Seatで優先搭乗
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ウドンターニ空港では往復ともボーディング・ブリッジから搭乗する。
250Bの追加料金を払うHot Seatは、迷わないように赤いヘッドレストで色分けされている。優先搭乗以外のメリットは、足元が広いことと、優先搭乗するわけだから、当然機内持込み荷物を先に入れられるってことくらいかな。
往きと同じ1Aの席に着いて出発を待つ。今度は隣りとその隣りにも座ってきたが、どちらも若くてかわいい女性だったので全くマイペンライだ。心の中で小さくガッツポーズをしていると、すぐ後ろの席から聞き覚えのある声とフレーズが・・・
「モウスグ トブヨ。ヒャッキロ、ニヒャッキロ、サンピャッキロ ニナッタラ トブヨ、 モウスグ トブヨ、ハヤイヨ、トブヨ」
同じ便、しかも同じ席だったんだ・・・。
【スワンナプーム空港到着】
FD3365便は35分遅れて19:10にプッシュバック開始。滑走路に着くと今回も短い助走であっという間に離陸した。
右隣は若い女性で、離着陸時は前方には向かい合わせでCAさんがふたり座るという、いまだかつてないロケーションで楽しいフライトになる・・・はずだった。
「トンデルヨ、ロクヒヤクキロデテルヨ、ハヤイヨ、タカイヨ」
「すいません、私の日本語がおかしくなりそうだから止めてもらえませんか」と言い出せず、心の中で何度も繰り返すシャイな日本人がいたのだった。
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スワンナプーム空港着
ずい分端っこに停められたよう
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天国だったのか地獄だったのか、よく分からないまま20:05にスワンナプーム空港に着陸した。スポットにはその5分後の20:10に35分遅れで着いたが、荷物置き場のような閑散としたところで、空港の端っこのようだ。
それにしても往路復路とも、出発時刻の遅れがそのまま到着時刻の遅れになるという、素晴らしく時間に正確なフライトをするもんだと感心する。その分、遅れを取り戻す調整時間がないのかもしれないが。
最前列の席なので、すぐに降りてバスに乗り込む。20:15に発車したバスはずい分かかって空港ターミナルに到着した。
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到着口
エレベータで上がると出口近くだった
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バスを降り、エスカレータで上がって歩くとすぐ国内線出口があった。さすがに5分以上もバスに乗ったんだから、これでコンコースの遠いところに降ろされたんじゃ赤シャツは暴動を起こし、黄シャツは空港を占拠するぞ。
バスを降りたのが20:22。ARLのシティ・ラインは毎時00、15、30、45分の発車だから、急げば20:30発に間に合いそうだ。よし、急ごう。
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