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3日目(2) -12月19日(日)- このページに出てくる主な場所のGoogleマップ
■ノンカーイへ&珍寺Part2〜サーラー・ケーオクー(ワット・ケーク)〜
【国際バスに乗って】
バスは反対側ホームにバックで入ってきた。というのも、タイは日本と同じ左側通行で、ラオスはフランスに統治されていた経緯からか右側通行である。このバスはタイ側のノンカーイが始発のバスだから、右側ハンドルだ。ということで、乗降口も左右反対になるのでバックで入ってきたのだ。
荷物は預けず、バックパックと満身創痍のショルダーバックを抱えてバスに乗り込む。
私の席はA4で、4列目の左の窓際だ。座席の後部に番号が書かれているので、1列前のA3と書かれたシートが見える席に座ればいいのだ。
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バスのチケット
9:30出発で窓際の4列目
料金は1,500Kでバーツだと70B
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指定席なので慌てる必要ないだろうと思われるが、上の写真のように予約したチケットは手書きである。何が起こるか分からないので、早めの行動で自分の得た権利を確保しておかなければならない。
案の定、しばらくしておじさんがこちらを指さして何か言ってくるが、こっちもちゃんとチケットを持っているので無視する。そのおじさんは今度は運転手を連れてやってきた。運転手からチケットを見せるように言われ、仕方なくチケットを差し出すと、おじさんのチケットと見比べ、おじさんを後ろの空いてる席に連れていった。
オーバーブッキングだ。こういうことがあるから、早めの行動を心がけておかなければならないのだ。
更におじさんの移動先の空いていたシートのチケットを持った女性が乗り込んできたらしい。運転手はおじさんと女性を引き連れ、再度私のチケットの確認にやってきたが、結局おじさんが再度席を移動したようだ。満員だったので、どこか補助席に座らされたかもしれない。
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バスの中
見た目はきれい
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オーバーブッキングのせいもあって、バスは定刻より7分遅れの9:37にタラートサオ・バスターミナルを出発した。
一見きれいそうなこのバスだが、作りが甘いところがある。
まず前の背もたれに新幹線や飛行機のようにテーブルが付いているが、レバーを回して開閉するタイプではなく、安物のタンスなどに使われていた押し込むタイプが使われていて、そのメス側がバカになっているため、しまっても勝手に出てくる。
シートポケットのゴムも伸びきっていて使い物にならないし、カーテンを束ねる紐のマジックテープもぼろぼろで機能していない。仕方ないのでくくっておいた。まぁ、人を運ぶというバスとしての基本性能は果たしているからマイペンライなのか。
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ラオス側イミグレ
激コミだが、ここでも左端がよく進む
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市街地を抜けると田園風景が広がる。ゴルフ場があったり、草を食んでる牛や山羊をみかける。唯一行けなかったビアラオ工場を通り過ぎる。工場見学は平日のみで、今回は土・日の滞在のため希望は叶わなかった。
バスは約30分かかって10:08に友好橋に到着した。ワイヤーロックをして荷物を置いて行ってもいいかなとも思ったが、念には念を入れて荷物を持ち、バスを降りてイミグレの行列に並ぶ。
ここでも一見ブースは3つに見えるが、やはりさらに左の本館にも窓口が1つある。今回はさすがに待たずに通過というわけにいかなかったが、この列は現地の人が多いせいか、他の列より早く進む。
イミグレで出国し、今度はきちんと出国税のブースで40B払う。ここも行列ができていたが、イミグレに4つ窓口があるんだから、出国税支払窓口が1つは少ないんじゃない?
約20分かかって10:30に一連の出国手続きを終え、その先に移動したバスへ戻るが、結局みんな揃って出発したのは10:50だった。早く通過した意味ないじゃん・・・。
【タイへ再入国】
バスは5分ほどで友好橋を渡り、タイ側のイミグレに到着した。ここでも同様にイミグレに並ぶが、一番左のブースは英語表記がなかったので、無難に英語表記のブースに並ぶ。
それが正解だったようで、一番左はタイ人専用(ひょっとしたらラオス人も?)のようで、そこに並んでいた外人は自分の番になると別のブースに並び直さされていた。
普段仕事が遅く感じられるタイ人だが、ラオス人と比べると格段に早く、ラオス出国の半分くらいの10分で入国を完了した。
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タイ側イミグレ
ラオス人はイジメに遭う
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パスポートコントロールを抜けると、ボディチェックと荷物のX線検査を行っている。
どうやらボディチェックはラオス人が対象のようで、マイペンライ国民とは思えないくらい細かくチェックを行っている。TVでやっているようにぺたぺた体を触ったり、ポケットの中から靴の中まで調べている。スーツ姿がビシっと決まったエリートサラリーマン風の男性も、執拗に調べられていた。彼もラオス人だったんだ。
菊の印籠(またの名を日本国のパスポート)が見えるようにそこを通過すると、当然フリーパス。今度は荷物のX線検査だ。ラオス人は当然であるが、ファランもX線検査を受けていた。
面倒靴下くさいなぁと本当に靴下がくさかったらいやなので臭わなかったが、ここでも菊の印籠が見えるようにして、X線検査があることに気付かないふりをして通り過ぎようとすると、検査官も菊の印籠が見えたのか、気付かないふりをして通り過ぎようとしている私に気付かないふりをして通過させようとするので、気付かないふりをして通り過ぎようとしている私に気付かないふりをして通過させようとしている検査官に気付かないふりをして通過した。
分かり難い表現だが、5つ星評価の菊の印籠と、気品漂うジェントルマンの風格を兼ね備えた私は、格差社会のタイではVIP待遇だということだ。(自己妄想)
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ノンカーイのバスターミナル
ローカル色いっぱい
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VIP待遇されない平民たちを10分くらい待って、バスは11:15に出発。終点のノンカーイ・バスターミナルには5分くらいで着くのかなと思っていたが、意外に遠くて10分少々かかって到着した。
バスから降りると客引きが凄い。トゥクトゥクのドライバー数人から「どこ行くの?」攻撃を受けるが、心の準備ができていなかったので「ノー・サンキュー」とひとまず攻撃をかわす。そういえばノンカーイに立ち寄るつもりがなかったので、地図も情報も持ち合わせていない。ここでは時間があればブッダパークの後に作られたサーラー・ケーオクーを見に行こうと思っていただけだ。300Bも出せばトゥクトゥクをチャーターできるだろう。さて、どうしよう。
ひとまずトイレに行って落ち着こうと歩き始めると「ウドンターニ?」と声がかかる。サーラー・ケーオクーの後にウドンターニへ戻らなければいけないので、思わず「Yes」と答えてしまう。すると「このバスに乗れ」と言うが、「観光するから後でね」と答える。おかげでウドンターニ行きのホームが分かった。メモ代わりにホームと時刻表の写真を撮っておく。
【サーラー・ケーオクーへ】
3B払ってひとまずバスターミナルのトイレにマーキングをしておく。少し落ち着いたので、トゥクトゥクのドライバーと交渉しようとドライバーがたむろしている方向に歩き始めると、客をつかめなかったひとりのドライバーが声をかけてきた。
ド:どこ行くの?
私:サーラー・ケーオクーだけどいくら?
ド:300B、遠いからね
私:高いよ、往復で100B
ド:無理!300B
私:じゃあいい と言って歩き出す
ド:OK、OK、分かったから取りあえず乗ってよ
私:100Bだぞ と念を押して乗り込む
と、最初の提示が予想していた300Bだったが、当然の如く値切った。雰囲気的に100Bでは行かないだろうな、着いたら片道で100Bって言うんだろうなと想像しながらも、他に交通手段がないので仕方ない。
最初の一声で300Bって言ったんだから、それ以上にはならないだろう。
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トゥクトゥク
他に交通機関がないので・・・
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バスターミナルに到着して10分後の11:37に出発する。ノンカーイのトゥクトゥクは、バンコクの2サイクルのそれとは違って、4サイクルのオートバイベースだ。
音はその分静かだが、パワーが全くない。原チャリの方が早いし、カーブではバイクのように傾けることができないので、徐行してハンドルを切って曲がらなければならない。ギアはリターン式のフットギアのようだが、チェンジの時にクラッチを握っていなかったので自動遠心クラッチなのかもしれない。あと、後ろの座席は荷台のようなものなので乗り心地は悪い。
幹線道路に出ると、走行車線はおろか、路側帯をトロトロ走るだけ。ミニバイクもどんどん追い越していく。唯一のライバルは同じトゥクトゥクだ。(笑)
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サーラー・ケーオクー
ブッダパークよりでかい |
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トロトロ走るトロトロ・・・じゃなかった、トロトロ走るトゥクトゥクは10分弱でサーラー・ケーオクーに到着。ラオスのブッダパークより規模が大きく、後からできだけに新しそうだ。トロトロ・・・じゃなかった、トゥクトゥクを降り、料金をふっかけてくる前に中に入ろうと歩きだすと、案の定あわてて付いてきて値段交渉をしてきた。
ド:ここまで300B、1時間待つから300B、バスターミナルまで300B、全部で900Bでいい?
私:(やっぱりきたか)100Bって言っただろ! 取りあえず怒鳴ってみる
ド:じゃあここまで100B、待つのが100B、バスターミナルまで100B、全部で300Bでどう?
私:(いきなり1/3かよ)往復の100Bに待ち時間の50Bで150B、ファイナルプライスだ
ド:OK、OK、分かった、それでいい
最初の900Bはふっかけすぎだろう、200Bくらいだったら払ってやったのに。とにかく気弱なドライバーで良かった。逆切れされて置いて行かれても困るし。それにしても金額交渉は疲れる。
20B払って入場する。
サーラー・ケーオクー(ワット・ケーク)
↓ここもコメントは難しいので、フォトアルバムで↓
結局ここでも何が言いたいのか、作者の意図を理解できず、気が狂う直前に不思議ワールドを脱出する。
変な象がいっぱいあったが、それよりもっと気になったのが60歳を過ぎたようなファラン♂と20歳代くらいのタイ人♀カップルが多かったこと。親子以上に年の差があると思うんだけど・・・。
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ノンカーイのトゥクトゥク
かなりバイクライク
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お土産もの屋を見てるとトゥクトゥクのドライバーが私を見つけ、手を振ってくる。仕方なくトゥクトゥクまで行くと、トイレに行ってくるからここで待っていてくれという。待ってる時間に行っとけよ!
仕様がないのでヤツの愛車(商売道具)を写真に収めておく。ドライバーがトイレから帰って来て、乗れというので乗り込むと彼は私を乗せたままトゥクトゥクを後ろに押す。そうか、バックギアはないんだ、何て思ったりしたが、これも待ってる間に切り返しておけよと心の中で突っ込んでおく。
結局サーラー・ケーオクーには40分くらい滞在して、12:25に出発。幹線道路に出ると相変わらず路側帯を走り、人力以外の乗り物にはすべて追い抜かれる。
途中幹線道路を右折して、往きとは異なる路地に入り込む。値切ったことを逆恨みに、変な所に連れて行かれないかと緊張が走るが、このスピードなら飛び降りても大けがはしないだろう。すぐに逃げ出せれるように警戒レベルを上げる。
しかし心配は無用だったようで、裏道から無事バスターミナルに戻ってきた。
私:ありがとう と言って150B渡す
ド:コップン・カップ、ウドンターニに行くんだろ? とバス乗り場へ連れて行こうとする
私:お腹が空いたから何か食べたいんだ
ド:あそこの店がおいしいよ
私:ソムタムとガイヤーンが食べたいんだ
ド:じゃあ、あっちにあるよ
私:ありがとう
お金が絡まなけりゃなかなかいいヤツじゃん。
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ノンカーイ・バスターミナルの市場
時間的に片付け中
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ドライバーの言われた方向に歩くと市場になっていたが、すでに片付けが終わろうとしていた。食べ物屋もいくつかあったが、お目当てのソムタム(未熟パパイヤの辛いサラダ)とガイヤーン(イサーン風焼き鳥)の店はなかった。
市場を抜け、路地にも入ってみたがそこでも見つからない。そういえばバスターミナルはノンカーイの中心部から東の外れだったことを思い出す。たしかウドンターニのバスターミナルは街の中心部にあるから、早めにウドンターニに移動して、そこでソムタムとガイヤーンを食することにしよう。
踵を返してバスターミナルへ戻る。ビエンチャンに引き続き、ここノンカーイでも第六感センサーの感度が悪いようだ。
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ウドンターニ行きのバス
カウンターのおじちゃんが憶えていた
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バスターミナルへ戻ると、ウドンターニ行きのバスのカウンターのおじちゃんが憶えてくれていて、こっちだこっちだと手招きする。結果的にバス乗り場と時刻表を写真に撮らなくてもよかったが、それはあくまでも結果論で、特に言葉が通じない海外では、準備や危機管理は十分すぎるくらいやっておいた方が良い。個人旅行ではすべてが自己責任なのだ。
チケットを買うと早く乗れと促されるが、ひとまずタイの再入国を祝って乾杯をしタイので、売店でビールを買って乗り込む。ちなみにチケットは35Bで、タイの公共交通はむちゃくちゃ安い。
さぁ、ウドンターニに向けて出発だ。
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