●グレイシャー・パラダイスへ
|
|
14:11に、次から次にやって来るゴンドラリフトに乗り込み、バックパックとショルダーバックの整理をしている間に、ツェルマットの街が遠ざかっている。本当にあっという間だ。
こうやって振り返ってみると、本当に小さな街であることが分かる。
|
|
最初の経由地のフーリ(1864m)に着くとドアが勝手に開く。
チケット売り場の女性に言われた通り、降りずに乗り続けたが、説明を受けなかったらどうしようか不安になっていたかもしれない。もっとも、乗る時に説明するということは、間違えてここで降りる人が多いのかもしれない。
そんなことを考えているうちに、ドアが勝手に閉まり、再び高速移動を始める。
※マウスオーバーで方向転換中の様子
|
|
二つ目の経由地のシュワルツゼーパラダイス(2585m)を過ぎると荒涼とした風景に変わる。
マッターホルンもすぐ近くになり、その肩に乗っかるように立っているヘルンリ小屋も肉眼ではっきり見えるようになる。
このヘルンリ小屋は、NHKで放映された「世界の名峰 グレートサミッツ」のマッターホルン編で、登頂のベースキャンプになっていたことをふと思い出す。
左の写真の○にあるのがそれで、よくもこんな凄いところに建てたもんだ。
※マウスオーバーでヘルンリ小屋
|
|
ゴンドラリフトの終点トロッケナー・シュテーク(2929m)には、ちょうど30分かかって14:41に到着。
ロープウェイ乗り場には、『Glacier Paradise』の標識に従って進み、再度自動改札にチケットを通して進む。
ゴンドラリフトは次から次へと来るので待ち時間は無いが、ロープウェイはそうはいかない。でも、左の写真の通り運良く乗り場に着いた時に、ちょうど下りのロープウェイが到着するところだった。
ちなみに写真を撮っているのは韓●人の新婚と思われるカップル。CANONのデジイチを持っていて、ロープウェイ内でもあっち行きこっち行きしてバシャバシャ撮っていた。
私の主観だが、被写体となっている左から二人目のダンナと思われる男性のファッションセンスは・・・(以下自粛)。
|
|
トロッケナー・シュテークを14:46に出発。
ゴンドラリフトに乗っていた時より、明らかにマッターホルンから遠ざかっている。そして、角度が違えば別の山のように姿を変えている。
左の写真にはリフトの支柱のようなものがものが写っているが、シーズンになればこんなところでスキーができるのだろうか?
調べていないので真偽のほどは定かでないが、マッターホルンのすぐ麓でスキーができるなんて凄いと思う。
ただ、植村直巳の本を読んだことがある者にとっては、氷河にあるゲレンデというのは恐い気もするが・・・。
|
|
ロープウェイはこんな氷河の上の通る。波打っている様子とクレバスから荒々しさを感じ、クレバスの中は神秘的なグレイシャー・ブルーという二面性が見て取れる。
まったくもって、こんな所にロープウェイを通すスイス人は大したものだ。
迂回しなくていいからその分早く、弾丸トラベラーにはありがたいのだが。
※マウスオーバーで氷河に映るロープウェイの影
|
|
左の写真の頂上のちょっと右下のケーブルが入っているのが見えるところが、終点のクライン・マッターホルン(Klein Matterhorn)またの名をグレーシャパラダイス(3818m)。
この標高からも分かる通り、このロープウェイの駅は富士山より高い位置にある。
|
|
こちらは振り返ってトロッケナー・シュテーク方面を撮ったもので、氷河の上を通っているのがよく分かる。
規模は違うが、ノルディックスキーのジャンプ台から見た風景に似てなくもない。(笑)
|
|
すぐ左のウンタラー・デオドール氷河(Unterer theodul)の向こうに、雪を帽子のようにかぶったブライトホルン(4165m)がすぐ側に見える。日本にはない、4000メートル級の山が手の届きそうな所にあるのだ。
そんな絶景を楽しみながら、14:55に僅か10分ほどでグレーシャパラダイスに到着する。麓から約45分で約2200m昇ったことになる。
|
|
ロープウェイから降りると、時間がない弾丸トラベラーは、平地と同じように早歩きで進む。しかし、これがいけなかった。
富士山登頂時の3776mという記録を二十数年振りに更新する自己最高所だが、酔っ払った時のように頭がふらふらする。これが高山病の症状なのか・・・。
こんなところで倒れたら洒落にならないので、少しペースを落とす。
途中で左に展望台(3883m)に行ける通路があるが、チケット売り場で言われた通り、行けないように柵がしてある。そのまま真っ直ぐ進み、ゲレンデのようなテラスに出る。
|
|
テラスに出ると一面の銀世界で目がくらむ。
サングラスをかけ、マッターホルンが見える方面に行くと、私よりちょい年配の東洋人(韓●人)団体客がうじゃうじゃいる。見たことも参加したこともないが、昔の日本の農協ツアーがこんな感じだったのだろう。
でかい声で会話(ハ●グル語)しているグループの中をくぐり抜け(彼等は通路の真ん中を陣取って動かない)、また別の表情をした女王様に謁見する。(笑)
さすがにここまで来ると、かなり目線の高さが近い。
|
|
再度でかい声で会話しているグループの中をくぐり抜け、騒々しいグループがいない場所で景色を堪能する。
しかし、、、寒い。
風は無いものの、気温はかなり低い。0度前後かもしれない。
|
●パノラマ写真その3 ※画像をクリックすると別ウィンドウでパノラマ写真のページが開きます
|
|
●パノラマ写真その4 ※画像をクリックすると別ウィンドウでパノラマ写真のページが開きます
|
|
●グレイシャー・パレス
|
|
脱げない防寒着(またの名を皮下脂肪)が寒さで固まると溶けるのに時間がかかるので、固まる前に移動することにする。(笑)
数年前に話題になったシンドラー社製のエレベータ(スピルバーグ映画のシンドラーズ・リストに引っかけてシンドラーズ・リフトと揶揄された)に乗り込む。
そのシンドラーズ・リフトのボタンは0と-1。0階は日本でいう1階のことだろうから、日本だと1とB1と表記されている。1階がグランド・フロアの”G”であったり、”0”だったりと、所変われば表記も変わるものだ。
※マウスオーバーで不思議なボタン
|
|
シンドラーズ・リフトを降り、更に通路を下って辿り着いたのはグレイシャー・パレス。
直訳すれば氷河の宮殿で、氷河を掘って作られた、氷河の中にある宮殿だ。
|
|
氷の彫刻。
しょ、しょぼい。(ーー;)?!。
|
|
マリア像。
何もこんなところに置かなくても、、、。
罰が当たりそう。
|
|
期待外れというか、「氷河の中に入った」という貴重な体験ができればいいのではないだろうか。しょぼい彫刻のせいで、その貴重な体験が霞んでしまっている気がする。
ここは氷河の中ということで、テラスより更に寒くて脱げない防寒着(皮下脂肪)が徐々に固まり始めている。
一度固まると、溶かすのには内燃機関を働かせねばならず、そのためには大量のアルコールを摂取しなければならない。ただし、大量にアルコールを摂取すると、二日酔いというリスクがあるばかりか、帰巣本能で無意識に家に帰っていることがある。さすがにスイスからタクシーで帰れないとは思うが・・・。
そんな訳(←どんな訳じゃ!)でグレイシャー・パレスを後にする。
|
●下山・・・
|
|
シンドラーズ・リフトで0階に戻り、来た時と同じ通路を通ってロープウェイ乗り場に着くと、ロープウェイは到着したばかりで待ち時間なしで乗り込むことができた。
そこそこの混雑さで2/3くらいは韓●人グループだ。ほどなくしてドアが閉まり、ロープウェイがガクンと下がって出発すると思った瞬間、乗り遅れた韓●人のおじさんが外からドンドンと窓を叩き、中にいるおばさんたちは操縦士にハン●ル語で叫び、何とロープウェイを止めてしまった。
そして、乗り遅れたおじさんは悪びれた様子もなく悠然と乗り込む。恐るべしコ●アン・パワー。
すべての韓●人がこのような立居振舞をするわけではないだろうが、昨年あたりから韓●人と中●人の傍若無人ぶりが目に付く。もしかしたら、私との相性が悪いだけかもしれないが・・・。
左の写真は、ロープウェイから見たゴルナーグラート。
|
|
ロープウェイの中でも韓●人グループの・・・(以下自粛)。
15:23にトロッケナー・シュテークに着き、ロープウェイを降りてゴンドラリフト乗り場に向かう。
韓●人グループは群れて行動するため集合するのに時間がかかるようで、ゴンドラリフト乗り場の自動改札には白人カップルに続いて到着した。しかし、白人カップルは自動改札でチケットがなかなか認識されずにもたついたため、もう一方の自動改札を抜けてゴンドラリフトには1番乗りになった。
まるでピットストップの間にトップに立ったような感覚だ。(笑)
※マウスオーバーで白人カップルがもたついた自動改札
|
|
15:25にトロッケナー・シュテークから乗ったゴンドラリフトは、往路と逆の行程を辿って15:52にツェルマットのゴンドラリフト乗り場に到着。
ゴンドラリフトの中では、もう二度と見ることがないかもしれない女王様をしっかり目に焼きつけつつ、今回の旅ではもう着ない防寒着を片付け、バッグの一番奥にパッキングをし直したりとなかなか忙しく過ごす。
途中ゴンドラリフトが停止するアクシデントがあったが、ほどなくして動き出した。空中でブラブラするのは気持ちのいいものではない。
グレイシャー・パラダイスは金銭的に結構高いものについたが、それ以上に貴重な体験ができた。(韓●人グループには閉口したが・・・)
ツェルマット16:13発の当初の予定より1本遅い電車に間に合いそうだし、ここまでは100点満点と言っていいだろう。ちなみに昼食を食べていないことにはまだ気付いていない。(笑)
|