●チューリッヒ・クローテン空港
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スイスの空の玄関口、チューリッヒ・クローテン空港には7:03に着陸。
左の写真は、パーソナルモニターにあるパイロットビューで、スポットに到着してシートベルト着用サインが消え、電子機器が使用できるようになって撮ったもの。
いつも機内ではフライトマップを見ていることが多いが、窓際の席ではないこともあって、景色と共に離発着の様子は見ていて思いのほか良かった。
ちなみにKIX-BKK間の機材は、パイロットビューが使えなかった。
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E34スポットには、定刻の7:25よりやや早めの7:08に到着。
ファースト→ビジネス→エコノミー客の順に乗降するのだが、我々進行方向の右側の乗客はビジネスクラス、ファーストクラスを通って降機する。
ファーストクラスには一生乗る機会がないと思われるので、ファーストクラスを通る時、慌ててカメラを取り出して写真を撮るが、見事に手ぶれしている。(笑)
7:14に機外に出て、初めてのヨーロッパに降り立つ。
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事前に調べていた通り到着したEターミナルは、前回のシアトルやバンクーバーと同様にメインターミナルから離れている。
到着した2階から案内と人の流れに付いて地下に下り、ほとんど待たずにセンターターミナル行きのシャトルに乗り込む。
シャトルはあっという間にセンターターミナルに到着する。
事前情報によると、スイスの入国審査は質問もほとんどなく、スタンプも押さないほどあっけなく通過するらしい。であれば早着したこともあり、予定より早い電車に乗れるかもしれない。
そう考えると、イミグレーションへの足取りも早くなり、3番目に並ぶことができた。
かなり順調だ。
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好事魔多し。事前情報に反してイミグレーションでは、質問責めとなった。
係:ハロー、旅行の目的は?(友好的)
私:ハロー、観光
係:何日間?
私:(おそるおそる)2日間!
係:What???
(スタンプを押そうとした手が止まる・・・)
係:次はどこの国に行くの?
私:バンコク経由で日本に帰るけど
係:チケットは?
私:はい、どうぞ(Eチケットを渡す)
(しげしげと眺める)
係:どうしてこんなに短期間なの?
私:日本人はあまり休みが取れないんで
係:どこの観光に行くの?
私:マッターホルンを見にツェルマットへ
係:じゃあ、宿泊はツェルマット?
私:いや、チューリッヒ
係:What??? Day trip???
(あり得んという表情になる)
係:ホテルの予約は?
私:はい、これ(バウチャーを渡す)
(ここでもじっくりチェックされる)
私:何か問題でも?
係:OK. Have a nice trip!
そう言って係官はしぶしぶ入国印を押した。何はともあれ入国できたので、「Thank you.」と言ってパスポートを受け取る。
結果的に入国審査、入国印は事前情報とは異なったが、もっともこの日程では怪しまれても仕方ないか・・・。(笑)
左の写真は空港を出た向かいのターミナル。この地下に鉄道駅がある
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空港を出て向かいのターミナルに入り、案内に従ってチケット売り場に向かう。
事前にスイス・トランスファーチケットという、国境もしくは国際空港から目的地までの単純往復チケットを買っているのだが、使用期間があるため開始時に駅員にバリデーションという作業をしてもらわないといけない。
正式にはバリデーション時に使用日やパスポートb記入してもらうようだが、時間短縮のため予め記入しておいても良いらしい。もちろん、時間に制約がある私は記入しておいた。
早朝ということで駅員が少なく、待ち時間が5分くらいあったものの、バリデーション自体は1分ほどで終わった。
よし、予定より1時間早い7:43の電車に乗れそうだ。エスカレータを下り、ホームに向かう。
※マウスオーバーでバリデーション後のチケット。右端のサインとスタンプをもらうだけだが・・・
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●インターシティ(特急)でツェルマットへ
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ホームに着くとインターシティ(IC:Inter City=特急)が入線していた。主要駅だから停車時間が長いのかなと、安易に考えて乗り込む。
何気なくホームを見ると向かいは4番ホーム。自作のガイドブックによると乗るべき電車も4番ホーム。あれ?(大汗)
慌てて電車から飛び降りると、噂通り日本のような発車のベルなどなく、数秒後に静かにその電車は発車して行った。この電車がどこ行きか知らないが、危うく路頭に迷うところだった。
この時は運よく自作のガイドブックで事なきを得たが、後にこの自作ガイドブックで自爆することになる。
3番ホームの電車が発車してすぐ、4番ホームに目的の電車(IC812)が入線してきた。停車駅にVISPがあるので間違いない。さっそく乗り込む。
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乗り込んだのは2等車で十分綺麗なのだが、せっかく1等車のチケットを買っているので1等車まで移動する。
煙と何とかは高いところが好きなので、迷わず2階席に座る。(笑)
座席は2等車は2-2の4列で、1等車は1-2の3列の配置。2等車でも30%くらいの乗車率だが、1等車はさらに低くて、私のいた2階席は常時5〜6人といったところだろうか。快適ではあるが少し寂しいかも。(笑)
座席間のスペースは大きく取ってあり、日本のように膝と膝がぶつかるようなことはない。
チューリッヒ中央駅(車内放送はズーリッと聞こえる)を出てしばらくすると、「嗚呼、スイスに来たんだ。」と実感するような牧歌的な風景が車窓を流れる。
左の写真は、スイスの首都ベルンを過ぎた辺りの牧草地。
※マウスオーバーで美しいトゥーン湖
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チューリッヒ中央駅やベルン等の大きな駅は、終着駅のように行き止り式のホームになっていて、進行方向が変わるためその都度座る位置を移動する。(笑)
左の写真は何という名前の山か分からないが、シュピーツ近辺で雪を抱いたスイスアルプスが近くに見えてくる。時間と方角からユングフラウかメンヒのような気がするけど、Google Eathで見る山容とは異なる。
睡眠不足のうえ、すでに2時間以上電車に揺られているが、移り行く景色に見とれてまったく眠くならない。
このあと長いトンネルに入るが、トランス状態は続いていて目はパッチリだ。(笑)
※マウスオーバーで氷河が岩肌を削った水が流れるローヌ川(この川はやがてレマン湖に流れつく)
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そんなことをしているうちに、ほぼ時刻表通りの10:03にフィスプ(VISP)の6番線に到着。
ここまでの運行はスイス国鉄(SBB)で、ここからツェルマットまではマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB:Matterhorn Gotthard Bahn)の運行になるが、MGBもスイス・トランスファーチケットで乗車できる。
ちなみにSBBは日本のように特急等の追加料金はない。ただし、席を事前に予約すると指定料金がかかるそうだ。
※マウスオーバーでホームの移動のための地下通路
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●マッターホルン・ゴッタルド鉄道
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ツェルマット行きのR225は10:10発で、時刻表上の乗換時間は8分ある。SBBを降りた乗客のほとんどが3番ホームへ向かうので、その流れに付いて地下通路を通って行く。
ガイドブックによると、スイスの鉄道は日本並みに時間に正確らしい。ただし発車のベルは無く、時間になるとすぅーとホームを出て行くので、早めに客車に乗り込んでおいたほうがいい。
先頭車輌まで歩き、写真を撮ってから先頭車に一番近い1等車に乗り込む。
※マウスオーバーで地図が印刷されているテーブル
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ツェルマット行きのR225は定刻通り10:10にホームを離れる。
ホームを歩いている時に客車を覗いた感じでは、2等車は70〜80%くらいで、1等車は30%くらいの乗車率だろうか。
SBBと同様にMGBの1等車は1-2、2等車は2-2の配列になっている。豪華さはSBBのICに比べると古くてかなり落ちるが、それでもかなり快適だ。
ただ、トイレはタンク式ではなく、昔懐かしい直噴式。「停車時は使用しないでください」というようなことが書かれてあった。
※マウスオーバーで直噴式(笑)のトイレ
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MGBは単線でカーブが多く、車輪とレールを軋ませながら進み、所々すれ違いのため停車する。
左の写真はすれ違いのため停車している時のもので、この先に急な登り坂が見えている。
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待ったり待たせたりで、そのほとんどは駅で行なうが、中には駅ではない場所もあった。
左の写真はそういう場所で停車している時のもので、すれ違い列車は減速することなく駆け抜けている。
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終点のツェルマットが近付いてくると、氷河を抱いた山が見えてくる。左の写真で分かるようにかなり急峻な山で、氷河や岩が崩れ落ちそうなほどだ。
※マウスオーバーで石が瓦の昔ながらの家屋で、アルプスの少女ハイジのような風景が広がる。(アルプスの少女ハイジの実際の舞台は、チューリッヒの南東にあるマイエンフェルト)
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ツェルマット到着の2〜3分前にマッターホルンが一瞬だけ姿を現す。
もうすぐじっくり見ることができるのだが、ファーストコンタクトでちらりと姿を見せるあたり、いきなりおじさんナチュラリストのチラリズム心をくすぐる。
さすがアルプスのグラビアアイドル女王だ。
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終点のツェルマットには11:14に到着。これまた定刻通りだ。
MGBのツェルマット駅も行き止り方式の駅で、先頭車輌方向が出口になっている。
私の場合は、フィスプで先頭車輌の写真を撮ったから、たまたま前方の車輛に乗ったのだが、先頭車輌近くに乗った方が到着時に次の行動が早くできることになる。
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MGBを降り、進行方向に進んで駅舎を出る。SBBの駅舎と同様にこのMGBにも改札がないので、知らない間に駅舎の外に出てしまう。
観光地らしくツェルマット駅前はとても賑やかで華やか。左の写真は駅を出て振り返ったところ。
ちなみにツェルマットはガソリン車等の自動車は乗り入れができず、写真右下の「TAXI」と書いてある青い車のような電気自動車や馬車が主な交通機関になっている。
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上の写真から振り返ると、ゴルナーグラート登山鉄道(GGB:Gornergrat Bahn)の駅がすぐ目の前にある。
左の写真の真ん中に表示してあるように、次の電車は11:36、その次は12:00と観光客に親切だ。
中に入って終点のゴルナーグラートまでの往復チケットを買う。観光地らしく78CHF(約7,500円)と高価。
※マウスオーバーで大盛況のチケット売り場
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チケットも買ったし、発車まで少し時間があるので構内にあるKIOSKでevian(500ml)を購入する。何と3.5CHF(約330円)もする。
これから向かうゴルナーグラート展望台は3,131mあり、高山病対策に水分を摂るというのがあったため念のために買ったのだ。
水の値段の高さに驚き、この時もあることを忘れていたのだが、それに気付くのはずい分後のことになる。
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ガイドブック等には、常にマッターホルンは右側にあるので、右側の座席が良いとある。
できればその右側の座席をキープしたいので早めに乗り込みたいところだが、待合室に入ると既にたくさんの人がいる。
右側の座席を確保できるのか?
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